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消費税が増税したことで起こった税金への影響

2016.07.31

税金各種

財政金融委員会によると、

消費増税による懸念材料は、景気の落ち込みによる税収への影響である。平成9年4 月の5%への消費税率の引上げにおいては、増税の翌年度(平成 10 年度)から2期連続 で名目GDP成長率は前年度比でマイナス(図表5)となり、税収も景気対策による減 税の影響を考慮する必要はあるが、平成 10 年度▲4.5 兆円、平成 11 年度▲2.2 兆円とな った。また、増税当初の平成9年度税収は+1.9 兆円の増収であるが、消費税収を除くと ▲1.4 兆円になるなど、景気の落ち込みによる影響は否めない。

としています。また、堅調な企業業績の下で雇用や所得環境が改善されていけば、所得税や法人税を中心として、今後の総税収が増加するものとされています。

このように実は、消費税増税はあらゆる業種の負担を増加させるわけではありません。むしろ消費税が還付されることで、悪影響ではなく得をする業種・事業も存在しています。

というのも、消費税は法人税とは異なり、消費税の場合、赤字であっても納税する義務が原則として生じる税金です。そこで、今回は消費税増税で得する事業・業種と損をする事業・業種について考えてみます。

■損する業種とは?

売上の多くが非課税売上の業種の場合は、消費税増税で損失が多くなります。

例えば住宅貸付・診療報酬・介護サービスなどにおいて、一部を除いて消費税非課税となっています。そのため、消費税を納付する金額は、課税売上割合95%未満等の場合では、消費税の課税売上-課税売上に対応する仕入・設備投資等の消費税で計算します。

これらの業種は仕入等(仕入・建築費・医療機器等の設備投資)は当然ながら消費税がかかってくるわけですが、課税売上に対応する部分においては少なくなるため、消費税計算で控除できる金額は少なくなってしまうのです。

かといって、その部分の補填を利用者に負担してもらうことは税額の計算上難しく、自身が消費税負担を負うことになるのです。

また、このような業種は、消費税分のサービスを減らすなどの行為も難しいと言えます。よって、売上の多くが消費税でいう非課税売上とされている業種において、仕入・設備投資等の金額が大きくなる業種では一般的に消費税が増税されることで、その負担は大きくなります。

ところで、消費税が非課税とされている売上として以下のようなものがあります。

◎国内取引の消費税非課税
(1)土地(土地の上に存する権利を含む)の譲渡及び貸付け
(2)有価証券、支払手段の譲渡
(3)利子・保証料、保険料
(4)郵便切手類、印紙、証紙の譲渡、商品券などの物品切手の譲渡(注)
(5)国、地方自治体の行政手数料、外国為替業務の手数料
(6)社会保険診療
(7)介護保険診療
(8)医師・助産師等による助産に係る資産の譲渡等
(9)埋葬料、火葬料
(10)身体障害者用物品の譲渡、貸付け等
(11)学校、専修学校、各種学校等の授業料、入学金等
(12)教科用図書の譲渡
(13)住宅の貸付

◎輸入取引の消費税非課税
(1)有価証券等
(2)郵便切手類、印紙、証紙、物品切手等
(3)身体障害者用物品
(4)教科書図書

■消費税増税で得する業種とは?

 消費税増税がされることで、今の消費税の仕組みにおいて得するのは輸出産業です。輸出では基本的に消費税を0%課税されているという課税売上扱い(免税)です。そのため、消費税は受け取った消費税の課税売上からそれに対応した課税仕入れ消費税額を控除した額を納付するという仕組みになっています。

 そのため、納付する消費税の算式に当てはめると消費税を支払うどころか還付されるということもあり得るのが輸出業なのです。そのため、消費税増税は輸出を行える大企業にとっては有利になる仕組みが出来上がるのです。

記事提供元:TRUSTAX編集部

この記事へのボイス

得する業種で輸出業が挙げられていますが、最近はECの発達で個人レベルでも輸出業をやられる方が増えてきています。このあたりの消費税の仕組みは興味を持たれる方が多いですね。

Hiura Tax Office

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2016/07/31

消費税増税の目的は税収増加、消費税の場合、中小企業などは間違いなく資金繰りを悪化させます。景気対策を組み込んだ政策を行わないと、企業収益を圧迫するのを避けられません。増税による景気悪化と財政金融政策による景気浮揚を組み合わせるポリシーミックスが必要ですね。昨今の経済学者は、ポリシーミックスという用語を古いと思うのか?知らないのか?使いません。ポリシーミックスこそ消費税増税に際し重要な政策と考えます。今後の経済政策が望まれますね。
消費税に関して、輸出産業が得、といっても、輸出免税額が相当規模あり、対応する仕入税額が相当額あると、その仕入税額は、輸出売上に対応する分なので、全額控除出来るかどうか?一概に判断出来ません。単に輸出免税分が消費税ゼロということだけでは、得な業種と言い切れないと思います。消費税の矛盾は、固定資産の購入による仕入税額が課税売上を超えることで、その課税期間は還付になる場合が多いことですね。消費税が益税と言われる所以です。このことも再度認識する必要がありますよね。

公認会計士酒井健一事務所

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2016/07/31

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