「申告漏れ」「所得隠し」「脱税」、何が違うの?

2016.07.13

税金各種

■申告漏れ

 申告漏れにも種類があります。順を追って見てみたいと思います。

1) 申告が少なかった場合(少し漏れた場合)
・過少申告加算税という罰則
 過少申告加算税とは納付税額が過少だったり、還付税額が過多の場合に課されるという罰則です。ただ、税務署に指摘される以前に、自ら誤りに気付き修正申告した場合には罰則は課せられません。

・過少申告税を払わないといけない場合
 税務署に指摘されて修正したりした場合には、過少申告税を払わなければいけません。修正の必要があれば税務署より先に修正申告し支払をしなければなりません。ちなみに、過少申告税の額は、新たに収める税額の10パーセントが過少申告税として加算されます。新たに納める納税額が、当初の納税額と50万円とのいずれか多い金額を超えているとき、その超過部分については15パーセントの過少申告税が加算されます。

2)申告を全くしなかった場合(だだ漏れの場合)
・無申告加算税という罰則
 確定申告を過ぎて、期限の3月15日(休日の場合は次の平日)を越した場合は、罰則が課せられます。

・無申告加算税の税率
 納付対象税額に対して、50万円までは15%、50万円を超す金額には20%の割合を乗じて計算したされた金額となります。つまり、計算間違えで申告を少なくした場合よりも、全く申告をしていないのは悪質とされ、税率が高めになっています。

■脱税

 脱税とは、故意に所得を隠す、或いは、費用を水増しし算定納付税額を少なく見積もるなどするとされています。ただ、すべてが悪いようなイメージがありますが、脱税の意味にはほかに、課税漏れや申告漏れといったものも含まれていて、故意に脱税した場合でなければ、起訴などの社会的な制裁まで受けたりすることはありません。ところが、脱税という枠には気付かないうちに含まれてしまう行為になり易いので十分に注意が必要です。

1)故意に脱税をした場合
 重加算税が課せられます。税務署から故意的に所得を隠したり、費用を水増ししたりしたと指摘された場合には、重加算税等税金が所得税に対して加算されます。重加算税は、明白は悪質性と証明される場合に加算される税金です。その為、その罰則的税額は名前の通り重く、所得税額に対して35パーセントから40パーセントが課せられます。

2)脱税が怖い所以
 重加算税が課されるということは、税務署に明らかに悪質な所得隠しなど脱税の容疑を持たれている証拠なので、以後の査察が頻度も照査も厳しくなります。更には、対外的に信用を失ってしまうことです。

■所得隠し

 所得隠しとは、『課税の対象となる所得の総額を偽ることにより、納税を逃れること。申告漏れとして扱われることもある。』 (実用日本語辞典より)
偽ることは、サラリーマンではなかなかできません。クロヨン(9・6・4)と言われ、経営者に近い程、税務署が把握できる割合が減って自営業に至っては4割しか、確認できないといった状態であります。そのため、経営者がペーパー会社への架空業務委託計上や水増しなど自ら経費を操作するなどして所得を隠したように偽ることができる状態なのです。
そして、それがばれると、脱税ということになり、所得隠しがばれるということは、故意が明らかであるため、重加算税の対象となります。

■申告漏れ、所得隠し、脱税の違い

 以上のことから、所得隠しは行為であり、脱税はその結果のことになります。行為それ自体には罰則がありませんが、結果には、故意でない申告漏れと明らかに故意であるという脱税の2種類があります。そして、故意が明らかな申告漏れは、脱税になり、故意でないか故意が明らかでない場合は申告漏れとなり、それぞれに対する罰則の税率が大きくことなるのと、明らかに故意の場合、社会的な信用という面においても大きなリスクを負うことになります。

記事提供元:TRUSTAX編集部

この記事へのボイス


「申告漏れ」「所得隠し」「脱税」はすべて法律用語ではありません。
税務調査の結果増加した所得金額には当然課税されますが、その際の加算税の扱いが規定されており、その扱いの違いを「申告漏れ」「所得隠し」「脱税」等と俗に呼んでいるわけです。
加算税は過少申告加算税、無申告加算税、重加算税の順に重く、誤りの金額や当初の所得金額との割合で加重があります。
過少申告加算税の対象はいわゆる「漏れ」で、重加算税の対象はいわゆる「脱税」です。重加算税の対象となる場合は、帳簿の記載を故意に改竄したり記載しなかったりした場合、つまり、不正計算の証拠がある場合です。また、査察事案を一般に「脱税」と呼びますが、査察とは国税犯則取締法に基づく強制調査で、告発を目的とします。
加算税の扱いは国税庁の事務運営指針で決められており、国税庁のホームページで見ることができます。

朋祿会 税理士合同事務所

1GOODボイス! |この税理士にコンタクト

2016/07/15

分かりやすい記事ですね。
経営者のコンプライアンスに対する意識は千差万別で、過度に保守的に申告される方もいれば、合法である限りガンガン攻めようとする方もいます。
この辺りは性格が出やすいところです。

3GOODボイス! |この税理士にコンタクト

2016/07/18

このあたりの取り扱いの違いはよく話題になりますね。節税と脱税と租税回避はそれぞれどう違うのか?という話題もよく出ます。租税法はあいまいではっきりしないところが多々ありますので、なんとなくの理解でいると、本人に脱税などの意識がなくとも思わぬペナルティが科せられることもありえます。不安があれば税務署の無料相談などを利用するか、税理士などに相談してあらかじめ払拭しておくのが安全です。

0GOODボイス! |この税理士にコンタクト

2016/07/18

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朋祿会 税理士合同事務所
自分がいくら納税しているのかを知らない人は多いと思います。記事のとおり住民税に至っては仕組みを知らない人がほとんどでしょう。これは源泉徴収制度のデメリットだと思いますが、源泉徴収票の交付の制度にも問題があると思います。源泉徴収票は渡されれば内容を見ますが、特別徴収(給与天引き)の地方税については、通知書の内容を見ない人が多いと思います。見ても何が記載されているのか確認する人はいないのではないでしょうか。源泉徴収票に源泉徴収された地方税額が記載されていればいいのですが、地方税は1年遅れで課税されるため、源泉徴収された税額は前年の所得に対するものですし、源泉徴収票自体所得税の年末調整の結果を表示していますので、国税が地方税の記載を求めることはないでしょう。納税者がこの辺の意識と知識をもっと持てば、政治も変わるかもしれません。

朋祿会 税理士合同事務所

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