経営者は覚えておきたい! 融資で資金調達するための基礎知識

2016.06.29

資金調達・融資

 起業を考えている人や起業して数年経った経営者にとって、事業活動の生命線ともいえる資金調達は切実な課題です。資金調達の方法には金融機関から融資を受ける方法の他に、助成金・補助金等の公的資金の受給、株式等の発行、クラウドファンディング等の利用による投資等の方法があります。

 この中でも一番ポピュラーな方法が金融機関からの融資です。しかし、融資を行う機関、種類及び手続きをしっかり理解されているでしょうか。そこで、経営者が覚えておきたい融資で資金調達するための基礎知識をご紹介します。

■融資を行う機関の種類

 融資を行う機関は大きく分けて下記の4つに分けられます。

1. 日本政策金融公庫、地方自治体
 融資を初めて受ける人がまず検討すべき機関が政府出資の日本政策金融公庫です。起業前または起業間もない中小企業への創業融資制度があり、金利も固定で低く抑えられています。

 また都道府県や市町村などの各地方自治体と信用保証協会による創業融資制度もあります。この制度は、自治体が管轄する地区に在住する企業の経営者が保証料を信用保証協会に払うことによって信用保証協会が公的な保証人となり、融資を行う制度です。上記の日本政策金融公庫の創業融資制度と併用することも可能です。

2. 都市銀行
 日本全国にネットワークがあり、中でも三菱東京UFJ銀行やみずほ銀行など都市銀行の中でも特に大規模な銀行はメガバンクと呼ばれています。これらの都市銀行の取引先は、比較的経営が安定している大手の企業が中心です。起業前または起業間もない中小企業は資金計画が明確になっていない場合は、融資は難しいかもしれません。

3. 地方銀行及び信用金庫・信用組合
 地方銀行は各都道府県を中心に、中小企業から大手の企業まで幅広く融資業務を行っています。銀行によって異なりますが、大口の取引は少なく小口取引が主体で取引対象が地元の中小企業や個人がメインとなっています。

 信用金庫・信用組合も、隣接した県程度の範囲で営業を行っている地元に密着した金融機関です。地方銀行及び信用金庫・信用組合は、基本的に信用保証協会付の融資となるため金利は都市銀より高めとなります。

4. ノンバンク
 上記の銀行や信用金庫・信用組合などを除いた貸金業務を営む金融会社で、個人向けには消費者金融会社、事業者向けには事業者金融会社があります。無担保で保証人をたてる必要のない融資が比較的多く、入金までの期間が短いことが特徴です。ただし信用力が低い分、利率は高めに設定されています。上記の銀行や信用金庫・信用組合からの融資が難しい場合、または臨時に資金が必要な場合に利用することをお勧めします。

■融資の種類

 ひとことで融資といっても資金使途や借入・返済方法によって、下記のような種類に分けられます。

 ・ 証書貸付(「金銭消費貸借契約書」に基づく融資)
 ・ 手形貸付(借入用の手形を銀行に差し入れて行われる融資)
 ・ 手形割引(企業が取得した受取手形を銀行が買い取る形の融資)
 ・ 当座借越(融資の限度額を設定しその限度額までは自由に融資を受けまたは返済できる形の融資)

 融資の目的や資金繰りの状態によって最適な方法を使い分ける必要があります。

■融資の手順

 融資を受けるための基本的な手順は以下のとおりとなります。

1. 融資の申込
 申込みにあたっては銀行が担当者を付けている企業であればその担当者、そうでない企業であれば直接銀行の融資係に連絡します。

2. 融資係との面談
 銀行によって違いはありますが、事業計画書・決算書・資金繰り表・試算表・返済計画表などの提出が求められます。大体3期分の数値を基に、利益率や自己資本比率など返済能力に関わる項目をチェックされるため、大まかで構わないので推移を説明できるようにしておいた方が良いでしょう。

3. 審査係による審査
 面談終了後は、審査の手続きに入ります。審査が開始されると審査係が面談では得られなかった情報について様々な質問をしてきます。返答が難しい場合には即答せずに後日対応することも可能です。

4. 契約
 審査が終了すると無事、契約締結となります。契約の際には印紙と印鑑証明書が必要になります。

5. 実行(入金)
実施日の調整を銀行側と行った後、実行(入金)という流れになります。

■まとめ

 経営者が覚えておきたい、融資で資金調達をするための基礎知識を紹介しました。融資の手続きをスムーズに進めるためには上記の基礎知識に加え、日頃の銀行との付き合い方も重要です。融資を受けたい銀行に「この企業に融資したい」と思わせるためには、事前準備としてその銀行口座を売上入金口座に使う、インターネットバンキング等のサービスを利用するなど、積極的な働きかけが必要となります。資金調達に詳しい税理士を確保し、融資が通りやすい事業計画書や決算書のアドバイスを受けることも大事です。

記事提供元:TRUSTAX編集部

この記事へのボイス

融資の種類はいろいろありますね。私は融資のサポートをしていますが、金融機関が融資をする際、
事業計画書を重視しています。
金融機関としては、貸したお金が帰ってこないのは困るので、将来返済可能かどうかをチェックすることになります。
そのときに、経営者のビジネスに対する想いとともに、事業計画書という数値面で説得力を持たせることも
重要です。私はこれから成長する企業をサポートしていきます。

山本孝之公認会計士事務所

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2016/06/29

このまえ銀行の営業マンに聞いた話ですけど、キャッシュが無い会社より、キャッシュがある会社のほうがお金を貸し易いと言ってました。会社に残っているキャッシュの大部分が借入金をもとにしていても、キャッシュがあったほうが貸し易いと言っています。キャッシュが無いから貸してもらおうと思っているのですが、晴れの日に傘を貸し、雨の日に取り上げると言われる銀行の考え方って本当なんだって思いました。

櫻井昭一税理士事務所

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2016/06/29

資金を調達するのは大変です。返済ができるということをきちんと説明する必要があります。
根拠のある事業計画を作成して金融機関に説明する必要がありますね。

太鼓地会計事務所

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2016/06/29

資金調達をする前に、売上と仕入の決済時期のずれ、イニシャルコスト、設備投資、賞与資金など何のための資金か、何が原因で資金が不足するのかということをまずわかっていなければなりません。そして借り入れ後の明確な返済スケジュールが描けなければそもそも事業がうまくいっていないということになりますので、事業計画の見直しが必要です。事業計画の中で限られた一定の資金ショート期間だけ融資を受けて乗り切るという意識でいないと借入金が膨らんでいくことになりかねません。

犬山忠宏税理士事務所

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2016/06/30

金融機関の融資に対するスタンスはここ最近かなり変わってきました。ゼロ金利の影響もあり、金融機関は積極的に融資したいと考えています。銀行の競合が激しい地域では、考えられないほどの低金利で融資が実行されることもあります。ただ、どこにでも貸してくれるわけではありません。銀行が好む決算書とそうでない決算書があります。節税に力を入れすぎている決算書は、銀行から融資を受けるためには不利に働く場合もあります。顧問の税理士がいる場合は、決算を組むうえで十分に打合せしておく必要があります。

たかがき会計事務所

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2016/06/30

私は融資に強い税理士とかってよく巷では言われますが、そんなに大したものなのか、と思ってしまいます。もちろん財務会計、キャッシュフローを読む力は必要ですが、何も会計を専門にしている人から見たら当たり前のことを知っていればいい訳です。それよりも重要なポイントは、この会社のビジネスと強みが外部環境ととともに概要分かっていて、だからこそこの事業計画は単なる希望的観測ではなく信頼性があるものだよというのを言えることなんだと思っています。そういうストーリー展開が融資担当者に腹落ちするよう説明できるかってことがポイントですね。

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2016/06/30

大企業の場合には事業計画が重要になってきますが、中小企業の場合は経営者の人となりの方が重要な気がします。
その人の計画性や誠実さ、事業に対するバックグラウンド等が判断基準になってきます。正直、将来の事業計画なんて誰にも分からないですからね。

Hiura Tax Office

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2016/07/19

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アクアマネジメント松川会計事務所
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アクアマネジメント松川会計事務所

首藤俊行公認会計士税理士事務所

TRUSTAX編集部 2016.01.06